『太平洋の奇跡』を観て再訪したサイパンの戦跡

変わらぬ美しい景色と、生存者が語った「デブは先に死ぬ」生存論

 

1. 映画『太平洋の奇跡』の感想:ヤマトの10倍の価値

 

今日は朝8:10スタートの映画『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』を観てきました。

個人的な感想ですが、以前観た『ヤマト』の10倍はお勧めしたい作品です。映画自体は綺麗に作られていて、実際の戦場とは違う部分も多いと思いますが、それでも終始引き込まれる素晴らしい内容でした。

私が特にこの映画に感情移入できたのは、かつてサイパン、グアム、真珠湾といった戦地を実際に訪れた経験があるからです。

 

2. 変わらない景色と、すさまじい戦いの痕跡

 

サイパンで私が見た戦跡の数々は、映画以上に強烈でした。

  • サイパン沖に、そのままの形で沈んでいる零戦
  • 旧日本軍が作った桟橋が、今や朽ち果てようとしている姿
  • 司令部に使われていた洞窟のコンクリート壁には、艦砲射撃で空いた大きな穴
  • 今も残る、旧日本軍の滑走路跡

実際に現場に立つと、言葉にできないすさまじい戦いがあったのだろうと肌で感じます。

しかし、不思議なことに、その戦いを飲み込んだ景色そのものは、今も昔も全く一緒なんですよね。同じ海、同じ空を見ていても、その時そこにいた人々の思いは、私たち観光客とは全く違ったはずだと、深く考えさせられました。

映画では、もう少しサイパンの美しい海を長く映してほしかった。この「変わらない景色」の持つ重みが、少しでも観客に伝わるのではないかと感じました。

 

3. 南方戦線からの生還者が語った「生存の真実」

 

この映画を観て、親戚のおじいちゃんが南方へ行き、生還した時の話を思い出しました。

おじいちゃんが語るには、戦場では「やはりデブは先に死んでいく」のだそうです。

これは非常に生々しい話ですが、おそらく「燃費が悪いから」ではないでしょうか。少ない食料で、体を動かせる者。体脂肪が生存に不利に働く、究極のサバイバルだったのだと思います。理不尽な状況下での、人間の体力の限界と生存戦略を垣間見た気がします。

 

4. トーチカの横で会った、金沢出身のウィンドサーファー

 

実は私は20代の頃、サイパンへウィンドサーフィンをしに行ったことがあります。

その時に出会ったのが、金沢市出身の富田さんという方です。彼はサイパンに初めてウィンドサーフィンを持ち込んだ人物で、現地のガイドブックにも載ることがあるカリスマ的な存在でした。

その富田さんが、なんと旧日本軍のトーチカ(防御陣地)の横で、レンタルボードのお店をやっていました。現地の人みたいに真っ黒に日焼けしていて、とても格好良かったです。

そこには、日本のトップウィンドサーファーたちが練習に来ていて、雑誌で見るあの人もこの人も間近で見られたり、話ができたりして、趣味人としてとても嬉しかったことを覚えています。

戦争の歴史と、現在の平和なマリンスポーツが同じ場所で共存している。そのコントラストを含め、この映画は私にとって非常に満足のいく、価値のある時間となりました。