防音個室の開発と革新的なスピーカーシステムへの応用
吹奏楽への想いと防音個室の開発背景
私は吹奏楽曲、特に「アフリカン・シンフォニー」や「追憶のテーマ」のような楽曲を好んでおり、サックス、クラリネット、トランペットといった管楽器のソロパートが最高に響くのを聴くのが楽しみの一つです。
この管楽器演奏の環境を改善するため、昨年、紙製の組み立て式防音個室の開発に取り組みました。この個室の目標は、既存製品の性能を上回ることではなく、革新的なコストダウンと軽量化を実現することでした。
開発した防音個室の性能と市場への挑戦
開発した紙製防音個室は、既存の大手製品と比較して以下の優れた特徴を持ちます。
- 軽量化: YAMAHA製品と比較して重量を約1/3に軽量化。
- コスト: 販売価格は半額程度に抑えられる見込み。
- 防音性能: YAMAHA製品の約8割の防音効果(音の大きさは約1/250に低減)。
この性能により、個室内でトランペットを演奏しても、外部では「誰かが吹いている」程度は認識できるものの、曲を特定することは不可能な音量レベルを実現しました。
当時、KAWAIがYAMAHAの95%程度の性能を持つ防音個室を市場に投入していましたが、私はこの業界の価格破壊を目指し、一気に性能比50%の価格帯で市場に参入しようと考えていました。
革新的な平面バッフルスピーカーシステムの偶然の発見
防音個室の開発を進める傍ら、私は平面バッフルスピーカーの試作も行っていました。
ある時、試作していた平面バッフルスピーカーと防音個室の防音壁を組み合わせたところ、予想外の非常に豊かな音響が生まれました。
これは、防音壁の一部であるバッフル板自体がギターのボディのように振動して音を増幅するという、偶然の発見によるものでした。この現象の結果、それまで不足しがちだった低音が効果的に補強され、音に深みが加わりました。
音響特性の測定結果と今後の展望
この複合システムの音響特性を測定したところ、直径100mmのフルレンジユニット一つという構成にも関わらず、100Hzから18KHzまでの範囲でフラットな特性を示すという驚くべき結果が得られました。これは、このサイズのユニットとしては特筆すべき性能です。
今後は、バッフル板をさらに薄く、かつ硬くすることで、振動による響きを最大限に引き出す改良を進める予定です。
デザイン面では、スピーカーユニットが見えない設計に改良し、より洗練された製品を目指します。このシステムをJAZZ喫茶のような場所に設置してもらえるよう、商品化を進めていきたいと考えています。
もし商品化が実現した暁には、まず一セットを地元のS高校吹奏楽部に寄付し、開発の成果を還元したいと考えています。
